カフカ『審判』とか [books]
ナイロン100℃の公演「世田谷カフカ」を観に行くので、予習のつもりでカフカの『審判』を買った。
・・・のが、今年の5月初めのこと。
まあ公演は秋だし、あとでゆっくりね、なーんて悠長に構えていたのがマズかった。
ゴミ屋敷寸前の自室を8月の夏休みに片づけていたら、積読本のいちばん下から、『審判』発掘。
すっかり忘れてたのが、ひそかにショックではあったけれども。
間に合ってよかったぁ。(冷汗
んでもって、急いで読みはじめた『審判』。これが予想外におもしろーい!
学生時代に『変身』を読んだときは、ある朝目覚めたら毒虫になっていた、という設定の突飛さに「ほぇ~」と驚き、『城』を読んだときは、いつまで経ってもハナシが進まない構造に「うーん」と唸らされた。
そのわりに、ストーリーは全然憶えていないんですけど。(>▽<;;
『審判』の主人公、銀行マンのヨーゼフ・Kは、ある朝いきなり逮捕されてしまう。
身に覚えはないし、そもそも何の罪かもわからない。でも審理は始まっていて、誰もがそのことを知っている。
最初Kは無実の罪を晴らそうと意気込んでいたのに、弁護士や役人や法廷画家やさまざまな関係者の情報に翻弄され、真相にたどり着けない。
疲労困憊したKは、もはや自分が何に向かっているのかさえわからなくなっていく。
そして、唐突で完璧なラスト。
よくコントなんかで、相手の言うことを少しずつとり違えて、どんどん話がズレていくというネタがあるけれども、『審判』にもああいうおもしろさがある。ナンセンスギャグみたいな。ギャグじゃないですが。
この作品をそのまま舞台化するわけではないにせよ、KERAならそういうカフカの喜劇的エッセンスもすくいとってくれそうな気がする。期待しよう。
◆
すっかり調子に乗って、『失踪者』も読了。
こちらは『審判』以上に未完で、どの章が最後だかわからない。
両親の住むドイツから放逐された17歳の主人公カール・ロスマンが、居場所を求めてアメリカを転々とする。
うまくいきかけると必ず邪魔が入り、その場所を追い出されるという繰り返し。
ただ、『審判』でも『失踪者』でも、主人公はやけに女の人にモテるのだ。
これはきっとカフカも・・・。( ̄ー ̄)
現在、『城』を再読中。
むかし読んだ文庫本は残っていないので、ほかの2冊と同じ白水社のカフカ・コレクションでそろえてみた。
しかし、話の堂々巡りは想像以上だ。
3冊目ともなると集中力も途切れがちで、読んでいてもすぐに「あれ? この人だれだっけ?」。
『城』を読むこと自体が、いつまでも城に行き着けない主人公Kの様相を呈してきた。
はたしてわたしは最後のページにたどり着けるのでしょうか・・・。
・・・のが、今年の5月初めのこと。
まあ公演は秋だし、あとでゆっくりね、なーんて悠長に構えていたのがマズかった。
ゴミ屋敷寸前の自室を8月の夏休みに片づけていたら、積読本のいちばん下から、『審判』発掘。
すっかり忘れてたのが、ひそかにショックではあったけれども。
間に合ってよかったぁ。(冷汗
んでもって、急いで読みはじめた『審判』。これが予想外におもしろーい!
学生時代に『変身』を読んだときは、ある朝目覚めたら毒虫になっていた、という設定の突飛さに「ほぇ~」と驚き、『城』を読んだときは、いつまで経ってもハナシが進まない構造に「うーん」と唸らされた。
そのわりに、ストーリーは全然憶えていないんですけど。(>▽<;;
『審判』の主人公、銀行マンのヨーゼフ・Kは、ある朝いきなり逮捕されてしまう。
身に覚えはないし、そもそも何の罪かもわからない。でも審理は始まっていて、誰もがそのことを知っている。
最初Kは無実の罪を晴らそうと意気込んでいたのに、弁護士や役人や法廷画家やさまざまな関係者の情報に翻弄され、真相にたどり着けない。
疲労困憊したKは、もはや自分が何に向かっているのかさえわからなくなっていく。
そして、唐突で完璧なラスト。
よくコントなんかで、相手の言うことを少しずつとり違えて、どんどん話がズレていくというネタがあるけれども、『審判』にもああいうおもしろさがある。ナンセンスギャグみたいな。ギャグじゃないですが。
この作品をそのまま舞台化するわけではないにせよ、KERAならそういうカフカの喜劇的エッセンスもすくいとってくれそうな気がする。期待しよう。
◆
すっかり調子に乗って、『失踪者』も読了。
こちらは『審判』以上に未完で、どの章が最後だかわからない。
両親の住むドイツから放逐された17歳の主人公カール・ロスマンが、居場所を求めてアメリカを転々とする。
うまくいきかけると必ず邪魔が入り、その場所を追い出されるという繰り返し。
ただ、『審判』でも『失踪者』でも、主人公はやけに女の人にモテるのだ。
これはきっとカフカも・・・。( ̄ー ̄)
現在、『城』を再読中。
むかし読んだ文庫本は残っていないので、ほかの2冊と同じ白水社のカフカ・コレクションでそろえてみた。
しかし、話の堂々巡りは想像以上だ。
3冊目ともなると集中力も途切れがちで、読んでいてもすぐに「あれ? この人だれだっけ?」。
『城』を読むこと自体が、いつまでも城に行き着けない主人公Kの様相を呈してきた。
はたしてわたしは最後のページにたどり着けるのでしょうか・・・。
タグ:ドイツ文学
◇yukkyさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-09-28 22:48)
チヨロギさんの記事のおかげで、カフカに俄然興味が湧きました。
それに、KERAがカフカに惹かれる理由が分かった気がします。
私はといえば、若い頃に『変身』を読んで以来、カフカにはとんと縁がありません。
縁がないと言うより、敬遠しているというか。(苦笑)
そういえば、今日「世田谷カフカ」初日でしたね。
by 柴犬陸 (2009-09-29 00:20)
◇陸さん◇
ありがとうございますー!
次々と主人公に災難が降りかかる感じが悲喜劇的で、
ちょっとバスター・キートンの映画(@シャープさんフラットさん)を思い出しました。
KERAのおかげでカフカの魅力に触れることができて、よかったですv
「世田谷カフカ」、内容は見当もつかないけど、すごくおもしろそうですね!
by チヨロギ (2009-09-29 23:51)
カフカは『変身』を含む数作は読んだかなぁ〜(^^ゞ
というレベルなのですが、たぶんYuseumの好きな作風の作家ですf^_^;
ミステリーにも通ずるところがありますよね。
by Yuseum (2009-10-04 15:01)
◇Yuseumさん◇
池内紀さんの新訳で読んだせいか、思ったより読みやすく感じました。
Yuseumさんもよく書かれているように、翻訳の力は大きいですね。
よかったら再読してみてください。わたしは『審判』が好きですv
by チヨロギ (2009-10-04 16:48)
なるほど、再読してみまーす。
『審判』の翻訳といえば、なんと明日(10/8)に光文社の古典新訳文庫からカフカのそれが出るのですが、タイトルは『訴訟』・・・。
「従来のおどろおどろしく深刻な『審判』は、ほんとうは、軽やかな『訴訟』だった!」・・・とありました^_^;
http://www.kotensinyaku.jp/nextnumber/index.html
by Yuseum (2009-10-07 21:30)
◇Yuseumさん◇
新刊情報ありがとうございます!
検索してみたら、光文社版の訳者の丘沢静也さんって、
池内紀さんの翻訳にめちゃめちゃ批判的ですね。( ̄ー ̄;
おもしろそうなので、本屋さんで見つけたら買ってみようかな♪
なんだか、すっかりカフカ漬けになってしまいそうですw
by チヨロギ (2009-10-08 00:16)