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山積みの『文藝春秋』 [books]

村上春樹の「エルサレム賞」受賞スピーチ全文とインタビューが掲載されるというので、
さっそく『文藝春秋』4月号を買ってきた。


文藝春秋 2009年 04月号 [雑誌]

文藝春秋 2009年 04月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 雑誌


その「僕はなぜエルサレムに行ったのか」は、全部で14ページ。
エルサレムに行くことを決めてからは親しい人からも孤立無援だったことや、
事前に送った原稿に対して事務局は、表現を変える要求を一切してこなかったこと、
彼が「壁」=systemという言葉に、シオニズムやイスラム原理主義だけではなく、
日本に根強くはびこる「正論原理主義」も重ね合わせていることなど、
スピーチにこめられた想いやその背景が見えてくる中身の濃いページだった。

……一方で、自分は安全地帯にいて正論を言い立てる人も少なくはなかったように思います。たしかに正論の積み重ねがある種の力を持つこともありますが、小説家の場合は違います。小説家が正しいことばかり言っていると、次第に言葉が力を失い、物語が枯れていきます。僕としては正論では収まりきらないものを、自分の言葉で訴えたかった。(『文藝春秋』2009年4月号、P.158)



ところで、この文章が3月10日発売の4月号に掲載されることを新聞で知り、
前日の9日に本屋とかを何軒かまわってみた。
フライングで売ってる店がないかなー、と甘いことを考えていたんだけれど。

1軒目。
レジカウンターの上に『文藝春秋』が積んである。おお!
と思ったら、3月号だった。がっくし。

2軒目。
影も形もなし。そもそも売ってるんだろうか、コンビニで。

3軒目。
入り口近くの目立つところに、『文藝春秋』が山と積んであるコーナー発見。
なになに、「芥川賞発表」~? またもや3月号だ、危ない危ない。
しかし4月号の発売前日に、この大量の3月号をどう売りさばこうというのか。
勝手な推測だけど、いまごろコレを買う客に直撃インタビューしたら、
かなりの確率で「4月号と思い込んだうっかり者」が見つかりそうな気がする。
ただ、翌日にはこれがそっくり返本の山になるわけで、
本屋さんの必死なキモチもわからなくはないけどね。


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コメント 4

柴犬陸

「文藝春秋」って、10日発売ですよね。
10日が休みだと前倒しはあったと思うけど。
でも、チヨロギさんが探しまくった気持ちは分かります。
私はときどきしか買わないけど(芥川賞のは買いました)、
今回のは買おうと思っています。
明日にはね。
by 柴犬陸 (2009-03-11 01:41) 

チヨロギ

◇陸さん◇
じつは「文藝春秋」、ほとんど買ったことがなく、発売日も知りませんでした。
芥川賞受賞作品ぐらいは読んでいた時期もあったのですが、
個人的にハズレ作が続いたので、最近は全然チェックしていません。
今回買ってみて、「文藝春秋ってこういう内容なのか~」と驚いた次第です(苦笑)
by チヨロギ (2009-03-11 02:05) 

柴壱

私も、間違えて古い号の雑誌を買ってしまったことありますよ(^^ゞ
だいたい、発売日がうろ覚えだったりするもんですから・・・
山積みされてたりすると、何も考えずに買ったりして;;
by 柴壱 (2009-03-12 17:15) 

チヨロギ

◇柴壱さん◇
間違えて当然ですよね、こんなに大々的に置いてあったら。
でも本や雑誌って、間違えても交換・返品がきかないし。
書店の罠(?)に引っかからなくてよかったです(笑)
by チヨロギ (2009-03-12 23:08) 

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