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爆問学問「私は ここに いる」 [tv]

NHK総合「爆笑問題のニッポンの教養」は、東大教授・福島智氏による「障害学」の回。
たまたま途中から見だしたら、引き込まれて最後まで。

福島センセイは目が見えず、耳も聞こえない。
ただ、障害は後天的なものなので、しゃべる言葉は聞きとりやすい。
通訳の女性がセンセイの指先をタイプライターのように打つ「指点字」という方法で、他者とコミュニケーションをとる。

地下牢に閉じ込められているような孤独と絶望。
自分はここにいるけど、ここにいない。
センセイは自分の苦悩をそうたとえた。

「障害って何?」という問いかけに、太田が障害者としてのスティービー・ワンダーやホーキング博士の類まれな才能を引き合いに出すと、すかさず「ではああいう天才以外の障害者には生きる価値がないのか」と切り返す。
テレビの中の太田と一緒に、見ているわたしも絶句した。
その問いかけは、「生きるって何?」という問題につながっていく。

  絶望=苦悩-意味

アウシュビッツを経験した、あるユダヤ人が考えた公式だそうだ。
「苦悩」から「意味」を取り去ったものが「絶望」。
逆に考えれば、苦悩には意味があるわけで、そこが絶望との決定的な違いなのだ。

自分がいま生きている意味など恐ろしくて考えたこともないが、センセイはきっと障害を得たときから、ずっとこの問いを繰り返してきたのだろう。
それはそれとして、センセイはとても魅力的な人だった。
もともと落語好きで、おしゃべり好きらしい。
じかにお話を聞いてみたいものだが、こちらの頭の中が見透かされそうで、ちょっと怖い気もする。



●爆笑問題のニッポンの教養 FILE074:「私は ここに いる」概要
 http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20090609.html


タグ:障害学
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コメント 4

柴犬陸

その前の「プロフェッショナル」までは録画したのに、ついつい見逃しました。
幸い、すぐに再放送があるので、そちらを録画予約したところです。
毎週ではありませんが、時々観たくなる番組です。

>絶望=苦悩-意味
これは、つまり「絶望」と「苦悩」はイコールではないということですね?
ただ、「意味」が難しいです。
それにしても、「障害学」という学問があるとは知りませんでした、勉強になります。

話は違いますが、同じNHKの「ソクラテスの人事」はご覧になっていますか?
ちょうど、「BOSS」(cx)の裏なので、録画して両方観ています。
by 柴犬陸 (2009-06-12 00:19) 

チヨロギ

◇陸さん◇
わたしもこの番組はたまにしか見たことがないんです。
いつも行き当たりばったりな見方をしていて、頭の中に番組表がないので、
たまたまぶつかればラッキー☆という感じで(^ー^;
 > これは、つまり「絶望」と「苦悩」はイコールではないということですね?
 > ただ、「意味」が難しいです。
そうですよね、ほんとにむずかしいです。
つらい状況にあったときに思考停止してしまうのが「絶望」で、
何とかしたいともがき苦しむことが「苦悩」なら、
何かが変わる可能性は「苦悩」のほうにしかないですよね。
だから苦悩することには意味があるんだと、自己流に解釈しています(滝汗

「ソクラテスの人事」は「BOSS」の裏でしたか!
どうも最近「ソクラテス」にぶつからないなあと思ったら、
「BOSS」を見てたせいでした(笑)
飛び飛びにしか見ていないんですが、どっちの番組もおもしろいですよねv
by チヨロギ (2009-06-12 16:51) 

チヨロギ

◇yukkyさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-13 01:18) 

チヨロギ

◇saraさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-08-12 15:42) 

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